ひとり旅を愉しむ!ゴロー旅行社

国内・国外問わず、一人旅でもしっかり楽しめる、ちょっと変わった旅を記録していきます。旅の計画を立てている方の参考になればと思います。

2020年 知床〜紋別流氷の旅(3日目)

 

ひがし北海道エクスプレスバス

冬の道東旅行の移動をスムーズにしてくれる「ひがし北海道エクスプレスバス」をご存知ですか?

旅行者にとって冬の北海道はとても魅力的だけど、自由に移動できず旅のプランニングがうまくいかない…

とくに道東の公共交通機関はそんなに充実していないので正直不便です。地元の人はマイカーで移動するので問題ないんでしょうが、旅行者にとっては、行きたいところ、見たいところに行けないのは辛いものです。

そんな冬の道東の移動をサポートしてくれるのが、「ひがし北海道エクスプレスバス」です。

easthokkaido.com

雪のない季節であればレンタカーを借りる、という方法もありますが、冬場の雪道を走るのには勇気が必要です。道民の友達は「北海道でも主要幹線は除雪されているから大丈夫だよ」と言うけども、かなりの勇気と覚悟が必要です。

都市間の定期路線バスもありますが、旅のプランニングの際にぜひ検討いただきたいサービスです。

「ひがし北海道エクスプレスバス」は冬季限定で運行されるバスで、紋別〜網走〜知床〜中標津〜釧路〜帯広といった範囲をカバーしています。1日1往復のような路線ばかりですが路線数も多く、また途中主要な観光スポットにも立ち寄ってくれるものも嬉しいポイントです。

ただ経路が複雑なので、路線図と時刻表の見方に慣れるまで少し時間が必要かも。

また路線(エリア)によっては、指定された施設に宿泊していないと利用できない場合もるので、確認してみてください。

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*路線図は2020年当時のもの

 

バスに乗るには事前予約が必要で、サイトから予約が可能(ただし座席指定ではありません)。料金は、正直安いとは感じにくいですが、距離で換算すると妥当なのかな?うまく使えばとても安全に快適に移動できるサービスです。

このように冬の旅行者にはオススメのバスなので、皆さんも是非利用していただきたいです。利用状況によっては運行の廃止ということも有り得るので…

私が乗ろうとしていた4号(網走→紋別)は、普通に乗車すると3,900円!

しかし今回、ANAの旅作で北海道までの航空券と宿泊券を購入し、ANAのサイトからひがし北海道エクスプレスバスを予約すると、1000円で乗れるという特典があったので、ANAサイトから予約をしました。

 

今回の旅程

オーロラターミナル 9:00ーー(バス)ーー11:25 紋別市

紋別市内 12:00ーー(バス)ーー12:21 オホーツク紋別空港

オホーツク紋別空港 12:55ーー<ANA376>ーー14:50 羽田空港

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オーロラターミナル

朝、オーロラターミナル(道の駅「流氷街道網走」)に9:00前に向かう。

(ひがし北海道エクスプレスバスの公式サイトから予約する場合、網走駅前から乗車することも可能でしたが、ANA旅作経由で予約してしまった為、オーロラターミナルまで行く羽目になってしまいました)

ここから紋別行きのバスが出るのでバス停に行くと、ジャンボタクシーが1台止まっています。これ以外にバスのほか乗り物らしきものは停まっていないし来る気配もないので、恐るおそる運転手に声をかけると、やはりこれがエクスプレスバス4号とのこと。

予約状況によって車種が変わるようで、今回は私の他には一人しか乗客がなく、ジャンボタクシーの運用となったようです。たしか、昨年乗車した6号もジャンボタクシーでの運用でした。

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ひがし北海道エクスプレス4号

タクシーは国道239号線紋別に向けて走ります。左窓にはワカサギ釣りで賑わう網走湖の湖畔が見えます。そして湖と国道の間に挟まるようにサイクリングロードが見えますが、これはかつて湧網線が走っていた跡です。

この湧網線も、流氷を見るのに適したローカル路線としてとても人気がありましたが、1987年3月に惜しまれつつ廃止されてしまいました。

夏に自転車で走ると気持ちいいだろうな、と感じられるサイクリングロードですが、どこかで自転車を借りることができるのでしょうか?

タクシーは、湖と言われなければ海と勘違いしてしまうサロマ湖を過ぎ、快調に飛ばします。

時折右窓に流氷で埋まるオホーツク海がチラチラと見えたので、紋別ガリンコステーションで途中下車して最後の流氷を楽しもうと思います。

出航時刻がちょうどいいガリンコ号の便がなく、乗ることはできませんが、流氷を見る時間くらいはあるでしょう。さいわい空港行きの連絡バスも紋別ガリンコステーションに寄ってくれます。

そこで予定を変更してガリンコステーションで下車したいことを運転手に相談すると、あっさりとOKをもらえました。紋別ガリンコステーションには予定の30分近く早い10:50に到着しました。

オホーツクタワー

ガリンコ号に乗る為、ガリンコステーションには何度か来たことはありましたが、コンビニ、レストラン、土産物売場がある程度で、ここから流氷を見るのはなかなか難しいです。空港行きの連絡バスは12:13と時間が十分にあるので、オホーツクタワーまで足を伸ばすことにします。そこまで行けば、流氷に接することもできるでしょう。

オホーツクタワー

タワーまで歩く(無料バスがあります)

オホーツクタワーは地上3階海底1階、海の上に突き出す形で建設された日本最北端の氷海展望塔です。滑る道を歩いていると、途中でマイクロバスが止まってくれて乗せてくれました。どうやらタワーと乗船場を無料でピストン輸送しているようです。

受付で入場料800円を支払い、オホーツクタワーに入ります。

とりあえず最上階まで上り、展望テラスに出て流氷を眺めることにします。飛んでいる野鳥と流氷の写真を撮ったりしますが、あまりの寒さで長時間いることができません。すぐに展望テラスから館内に戻り暖をとります。

喫茶コーナーがあり館内で飲食もできます。ちょうどお昼時でもあったので、ホタテステーキとポタージュがセットになった流氷セット600円を注文します。

流氷セット

流氷セット

ホタテステーキは貝柱そのものではなく、ホタテの貝柱を圧縮したような物で、噛むと時々貝柱の食感がします。ポタージュはクリーミーな仕上がりでした。

オホーツク紋別空港

オホーツク紋別空港紋別市の南東に位置し、2000mの滑走路が1本ありジェット機が就航できる空港です。

とはいえ、現在はANA便が羽田空港とを1日1往復するだけです。かつては、新千歳空港とを結ぶ定期便もあったそうですが、この羽田便とトライアルチャーターとして丘珠空港とを運行する北海道エアシステムだけとなっています。

羽田便の就航している時間帯も微妙で、紋別に昼頃到着しそのまま折り返すダイヤ。そのせいもあるのか利用率も芳しいものとは言えないようで、この路線自体の存続も危ういのかもしれません。そもそも紋別市周辺の人口も企業も多い訳ではないのでビジネス客需要というのもそれほど見込めないのかも。海産物などの貨物需要があるかもしれませんが、それだけでは限界かもしれません。

そんなオホーツク紋別空港になぜ来たかと言うと、単純に乗りつぶしをする為でした。

紋別市内からオホーツク紋別空港までは無料の連絡バスが走っていて、飛行機を利用する人は予約なしで利用することができます。

空港へ接続するバスは観光バスのようなものをイメージしますが、この連絡バスは普通の路線バス(北紋バス)の仕様なので、空港に向かうといった特別感がありません。そんな普段着のバスに20分程度乗ると空港に到着します。

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オホーツク紋別空港ロビー

保安検査の入口が少なくて混んでしまうのは小規模な地方の空港のあるあるです。1日1便しか保安検査をしないスタッフたちは、業務に慣れることがあるのでしょうか…?

空港の設備はボーディングブリッジもなく、直接搭乗するスタイル。私は数年前に行ったスウェーデンのキルナ空港を思い出してしまいました。

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そういえば、オホーツク紋別空港にないものとしてボーディングブリッジのほか、管制塔も誘導路もありません。

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オホーツク紋別空港Google Earthより)

上空から見ると滑走路の両端が少し膨らんでいるのがわかります。(ターニングパッドといいます)

滑走路上をタキシングした飛行機は、このスペースでUターンし離陸します。


紋別オホーツク空港から離陸(タイムラプス)

今回登場したANA376は定刻、羽田空港へ向け離陸しました。今年の流氷の旅も終わりました。

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