2020年 知床〜紋別流氷の旅(2日目)
朝風呂に入ろう!
イーグルライナーには、目的地到着後に宿泊施設で朝食や朝風呂を利用できる有料のサービスがあることが分かりました。(事前予約必要)
これはイーグルライナーに限らず、道内の夜行バスが運行されている各方面であるサービスのようです。
夜行バスって目的地に着く時間が早すぎたりで、意外と時間を潰すのに苦労することがあるんですよね。そう思っていたので、このサービスを見つけた時には絶対利用しようと思いました。
という訳で今回は、北こぶし知床ホテル&リゾートのプランを利用することに。
早暁人気のないフロントで2500円(貸しタオル代含)を支払い、最上階の大浴場へ向かいます。なかなか素敵な作りのホテルです。
8階が展望大浴場となっていて、オホーツク海に埋まる流氷を湯に浸かりながら眺めることができます。海に近いせいか若干塩味のある泉質。サウナからも海を見ることができる設計。露天風呂はやや狭めだったのが残念だったけど泉温の管理など考えるとやむ得ないのかも。
知床あっぺめし
入浴後は2階のレストランへ移動。ここで「知床あっぺめし」というものをいただきます。知床には数回訪れていますが、この「知床あっぺめし」というのは初耳でした。
どんなものかと見てみると、地元オホーツク海で獲れた鮭を使った料理で、ウトロの新名物として売り出し中のようです。内容は、「鮭の炊き込ご飯」、タレに漬け込んだ「漬けサーモン」、鮭節からとった「鮭節だし」を山わさびなどの薬味とともにいただくといったもので、味と食感の変化を楽しむことができます。思ったよりも全体的にさっぱり目な味付けでした。
原生林スノーシュートレッキング
これからの予定はトレッキングツアー。今回知床までやって来たのは、この原生林の中を思う存分歩き回りたかったからです。 幸いにも天気も良さげでひょっとすると野生動物にも出会えるかも!?と期待度が増してきます。
今回はネットでいろいろ検索したものの中から、時間と費用が適当だった知床ネイチャーオフィス主催の3時間5000円のプランを選ぶことにしました。事前に伝えておけば、ホテルまで送迎もしてもらえるのもポイントでした。
朝食を済ませて、ホテルのロビーで待っていると、8:30ちょうどにガイド嬢が迎えにきてくれます。
挨拶もそこそに車に乗り込み、知床ネイチャーオフィスの事務所に向かいます。
車内で軽く雪の状況など伺いましたが、やはり今年は暖冬で雪が少なかったとのこと。やっと積ってきたけど、それでも例年の半分以下の量とのことでした。
事務所に到着し、レンタルのスキーウエアに着替えます。そして撮影に必要なカメラや貴重品など必要最低限のもの以外は事務所へ預けてトレッキングに向かいます。
今日のツアーは土曜日にも関わらず、私一人だけで貸し切り状態とのこと。ゆっくりいろんなところを歩きましょう!とガイド嬢は言ってくれるけど、なんだか申し訳ないような気にもなってきます。
スノーシューは生まれて初めて履きます。これは歩き方にコツが必要で、足を雪に入れる角度を注意しておけば、雪原も埋まることなく歩くことができます。
誰も足を踏み入れていない真っ白な雪原をズカズカと歩いていくのは、単純に楽しい。
でもスノーシューに慣れていないせいか、歩く速度は極端に遅く、そして疲れる…
ガイド嬢は、「モモンガやリスなどが出てくるかもしれませんよ」と期待させるようなことを言いながら案内してくれますが、逆に天気が良すぎて警戒しているのか現れそうな気配もなくツアーは進みます。
林や雪原の中をぐるぐると歩き続けて方向感覚がおかしくなってきた頃、突然海が現れます!
絶景!
海も陸も真っ白。視界に人工物は一切なく空は爽やかに青い。聞こえるのは風の音だけ。ごちゃごちゃして人混みだらけだった東京とのギャップを味わう。わずか半日前はそんな環境にいたことがウソのように思える。「あー来てよかった」
海側は絶壁となっているけど、スケールが大き過ぎて距離の感覚がおかしくなりそうな状況。念のため海面までの高さを聞いてみると120mくらいはあるとのこと。40階建のビル並の高さ。落ちたら回収すらしてもらえなそうな状況ですね。
満喫した3時間足らずのトレッキングツアーでしたが、最終段階でやっと野生のエゾシカ を見ることができました。 そんなツアーが終わったのがお昼前。今回お世話になったガイド嬢とウトロ温泉バスターミナルまで運んでいただきお別れです。
知床自然センター
今夜の宿泊先は網走駅前の東横INNということは決まっているのですが、それまでがなかなか決められずここまで来てしまいました。
バスターミナルの時刻表を見ると、12:10に出る女満別空港行きのバスがあります。これに乗ると14:00前には網走に着くことができるけど、早く着きすぎるような気もします。
一方 12:20に知床自然センターに向かうバスもあります。このバスは12:30に知床自然センターに着いて、少し時間を潰したのち、14:00発の斜里バスターミナル行きに乗ることができます。これに乗ると知床斜里駅で90分近く待つことになりますが、16:33発の網走行きの釧網線があり、網走の到着も17:17となかなか適当な時間に着くことができます。
知床自然センターでの滞在時間も丁度良いように思えたので、こちらのプランを実行することにしました。
今回の旅程
ウトロ温泉 12:20ーー(バス)ーー12:30 知床自然センター
知床自然センター 14:00ーー(バス)ーー15:00 斜里バスセンター
知床斜里 16:33ーー(JR)ーー17:17 網走
知床自然センターの中に入ってみると、こんな僻地に不釣り合いな (と書くと失礼ですが)スッキリとした施設で、左手にはカフェやTHE NORTH FACEやHELLY HANSENといったアウトドアブランドのショップが入っています。
世界遺産に登録もされている知床半島なので、国内のみならず海外からの観光客も大勢来られているのでしょう。
施設の右手には周辺を散策するためのアイテムの貸し出しサービスカウンターがあって、散策に必要な最低限の装備が借りることができそうです。
散策の目的地として「フレペの滝」が有名なようで、ここから歩くと、往復約2km/約40分かかると書いてあります。おそらくこれは通常時の時間であって、雪道だとどれくらいかかるのか見当もつかないし、そもそもそこまで歩ける道があるのかも分かりません。
まぁ行けるところまで行って戻ってきてもいいやと、半ば開き直って歩くことにしました。今回はスノーシューでなく、ごく普通のブーツです。
先ほどの原生林スノーシュートレッキングで、雪道を歩くのに慣れたつもりでしたが、やはり普通のブーツだと雪に埋もれてしまう箇所があり難儀します。そしてガイドもいないので、この道で合っているのかも分からず不安でもあります。おそらく滝の展望台から戻って来ていると思しき人たちが来た方向に進むのが正解なのだろう、と思いそちらに向かいます。
そうしてしばらく歩いていると展望台らしき建造物が見えてきました。
ここも断崖絶壁で、足元をみると足がすくみます。雪で滑って落ちたら今度こそ誰も探してくれないだろうと思ったり。
カラスなのかオオワシなのか私の視力では判断できませんが、オオワシと信じてカメラのシャッターを押す。
朝から雪道を歩き回り大自然にもすっかり満足したので戻ることにします。
14:00発のバスは、ちょうど1時間 で斜里バスターミナルへ運んでくれます。ウトロで乗り換える必要もなく、大人片道1800円(予約不要)。
再度オホーツク海の流氷を満喫するために、右側の座席に陣取ります。途中うつらうつらしながらも斜里までの道のりを満喫しました。
知床斜里
斜里バスターミナルと知床斜里駅は名称は異なりますが、隣接しているので乗り換えの不安はありません。
が、ここで90分近く空き時間があります。昼間散々電波の入らないエリアを歩き回ったので、携帯のバッテリーの残量も危うくなっています。なので充電もしたい、と思いながら街を歩きますがカフェ的なものは見当りません。仕方ないので充電は諦めてフリーWiFiがある「道の駅しゃり」で時間を潰すことにしました。
知床斜里駅から網走駅まではJR釧網線で44分。970円。右手はオホーツク海、左手は涛沸湖と景色のいいところを走る路線で、どのシーズンに乗っても楽しめる路線です。16:33知床斜里発の列車は、1両編成のワンマンカーですでに車内は満席状態となっていました。
途中には海に近いことで有名な北浜駅もありますが、今回は立ち寄らずに網走駅までまっすぐ向かいます。
朝食はバイキングで食べ過ぎてしまい、昼食を抜いたため、時間的にすっかり空腹状態となってしまってます。
網走駅前の東横INNにチェックインし、目ぼしいお店を数店ピックアップして夜の街に向かうことにします。
五十集屋(いさばや)
雪国の知らぬ街で、夜彷徨うのは冬の旅の楽しみの一つだと私は思ってます。ただ今回の旅は実質一泊二日なので、今夜しか楽しむことができません。なので評価の高く人気のあるお店に行きたいと思い決めたのがこの五十集屋さんです。
ここは地元でも人気の炉端焼き屋。予約はしてなかったけど、幸い席が空いているとのこと。こういう時は単身で行った方が、席にありつける率が高いと感じます。
店の中央に漁船を模したものがあり、その周りがカウンターになっています。カウンターだと独り者でも気兼ねがありませんね。
注文するのは、まずはビールから。やっぱり北海道なので、サッポロクラシックを注文することにします。炉端焼き屋ということなので、個人的に大好きな氷下魚(コマイ)のほか、ワカサギの天ぷらホタテの刺身など数点を注文。
ビールも日本酒もかなり飲んでしまいましたが、北海道の夜を楽しむことができました。