ANA4761便に乗って、冬の幸福駅とばんえい競馬に行ってみた
帯広空港へ
SFC修行9レグ目は帯広空港経由で道東に行ってみようと思う。
釧路空港や女満別空港にしなかったのは、単純に帯広空港を使ったことがなかったからだ。
羽田〜帯広間は1日3往復(2019年3月現在)運行されているが、全日空とAIR DOとのコードシェア便である。機材や乗務員はAIR DOのものが用いられるので、プレミアムクラスやWiFiサービスはない。ANAのマイルもPPは貯めることができる。
2019年3月2日7:05発のANA4761便に乗って帯広空港に向かう。帯広まではおよそ90分だ。
帯広空港から帯広市内へは連絡バスが走っているが、帯広に来たからには「幸福駅」にまず寄って見たいと思った。帯広空港から近く、バスで10分もかからない。
幸福駅
幸福駅は国鉄時代、広美線(帯広〜広尾)の途中にある駅で、1987年2月に広尾線の廃止と共に廃止となった。当時二つ隣にあった「愛国」から「幸福」まで行く切符がブームとなったりしたが、この広尾線には「新生」や「大樹」など、目出度い駅名が多く存在していた。
帯広空港から市内行きの十勝バスに乗って幸福駅前で降りる。さすがにここで降りるのは、私だけのようだ。駅の方をみると朱色のディーゼル車が見える。
幸福駅の周辺は公園として整備されていて広い駐車場もある。
朝の9:00前ということもあり人気はない。しかし隣接する売店は開いていて、そこで記念切符などを買うことができた。
ここに保存されているディーゼル車はキハ22形と呼ばれるもので、北海道など寒い地区でも安全に運行できるよう特別な仕様となっている。とはいえ、どこをどのようにアレンジされているのか素人の私には全く分からない。両端に扉があって客室とデッキが分けることで寒気が入ってこないようしているとか、窓は二重窓になっていることくらいだろうか。床が木張りなのが懐かしい。
積雪の多い北海道の屋外で保存するのは、かなりの苦労があるのではと推測される。しかしディーゼル車はとても綺麗に保存されており敬意を表します。
かねてから行きたかった幸福駅であったが、30分もいればほぼ見尽くしてしまう。
次に乗るバスは、降りたバス停と異なるので国道236号線へ向かう。
ちょうど9:41発のバスがあるので、これに乗って帯広市内へ向かう。
とはいえ、今日の予定は帯広空港に着くこととこの幸福駅に行くこと、そして夜は阿寒湖湖畔のホテルに泊まるので、帯広駅前を14:05に発つバスに乗ること以外はなにも決めてなかった。
できれば、帯広の北方にある「タウシュベツ川橋梁」など行ってみたいが、さすがに14:00までに帯広駅前には戻ってこれない。
名物豚丼でも食べて時間を潰すしかないかなと諦めつつ調べていると、ちょうどばんえい競馬の開催日であることが分かった。
ばんえい競馬
ばんえいを漢字で書くと「輓曳」と書き、北海道開拓時代に重い荷物を曳いたり、農耕に使われた馬種が競争するものだ。だからサラブレッドなどとは異なり、馬体重が1トンもあるような馬たちが、重りの載せられたソリを曳く。スピードだけでなく力強い走りをするのが魅力の競馬である。
競馬場はループ状ではなく直線で、途中2箇所の山がある。
レースは12:55から始まるので、それまで隣接する資料館で時間を潰す。
パネルや馬具などのほか、馬籍簿(馬の戸籍のようなもので、飼育される全ての馬は登録する義務があった)や昔の装蹄の料金表などが展示されており、開拓時代からの輓馬の歴史が分かる内容である。
開場までまだ時間があるので、場内にある食堂で豚丼を食べる。
厚めの豚肉に甘めのたれが絡んでご飯にとても合う。
ちなみにここで飲食すると、競馬場の入場料(100円)の割引券がもらえる。
競馬場やウィンズに来るのは20年ぶりくらいだろうか…馬券(勝馬投票権)の買い方すら忘れてしまっている状態だ。
しかも、ばんえい競馬は超重量ハンデが課せられるレースだ。掲示されている内容も全く理解できない。なので買ったところでハズレてしまうのだが、その残念感を上回るくらいレースの内容が熱いのだ。
こんなにスローな競馬なのに熱くなれるレースは初めての経験である。
競馬ではあるが儲け度外視で、レース展開、馬の活躍を楽しめるものだったなと感じた。
もっとレースを見たかったが、1レースだけ楽しんで帯広駅に向かうバスに乗ることにする。
まりもエクスプレスに乗って阿寒湖温泉を楽しむ1日
帯広駅
帯広駅は根室本線にある十勝地方の中心的な駅である。かつては広尾線と士幌線の起点でもあったがすでに廃止され、高架のきれいな駅である。こう言っては失礼だが、町の規模にしては駅が大きすぎて、維持費など大変ではないかなと思ってしまう。旭川駅もそう思ってしまうだが。
『北海道旅行を楽しくしてくれる地名は、アイヌ語の発音に忠実に当て字をしたしたものが多い。オペレペレケプを帯広などとせず、尾辺礼辺礼毛布とでもしてくれていたら、私だって入場券の五枚くらいは買うだろう。』(時刻表2万キロ)と宮脇俊三氏に言わしめた帯広駅である。
今日はここから阿寒湖まで行き泊まる予定だ。
まりもエクスプレスは帯広と阿寒湖を3時間で結ぶバスである。(片道:2,000円)
インターネットで予約ができるが、運転期間があるので注意が必要だ。
バスは帯広駅のロータリーではなく、とかちプラザ東側の公園大通りにあるバス停から出発する。とかちプラザでちょっと時間を潰しドリンクを購入してからバスに乗り込んだ。
池田駅に寄ったバスは北上し、足寄から国道241に入り阿寒湖へ向かう。途中旧池北線(池田〜北見)の廃線跡でも見られるかと思ったが、ほとんど居眠りをしてしまってた。
阿寒湖
まりもエクスプレスは、いくつかのホテルであればホテルの前で下車できる。今夜泊まる「ホテル御前水」も止まってくれる。今夜のプランは、1泊2食で8,500円くらいのプランだ。小さな温泉街は、なかなか食事をする場所を見つけるのが難しいので、夕食付きを選ぶ。
一人では過分な広さの部屋である。部屋からは凍った阿寒湖を見ることができる。建物自体はやや古めだが清潔感はある。源泉掛け流しの露天風呂があるのもいい。
軽くお風呂に入って定食な夕飯を食べたあと、阿寒湖氷上フェスティバルを見に行く。
実は来るまで知らなかったのだが、阿寒湖近辺では北海道内最大のアイヌ民族の集落があるそうで、そのせいか、アイヌのカラーが強い催し物がある。
イベントのクライマックスでは花火も打ち上がる。
翌朝5:30、寒いが日の出の撮影のため阿寒湖湖上へ降りる。
日の出を撮影するため、人気のない湖上をひたすら歩く。どこから太陽が登ってくるか分からないので、適当な場所まで歩いたらスタンバイ。
6:20頃雄阿寒岳の右手から神々しく太陽が登ってきた。今日もいい天気だ。
今日はこれから、野付半島ネイチャーセンターを経て川湯温泉へ向かう予定だ。