シンガポール〜クアラルンプール バスの旅(乗車篇)
ゴールデン・マイル・コンプレックス(Golden Mile Complex)
いよいよバスに乗る日が来た。
ゴールデン・マイル・コンプレックス(Golden Mile Complex)という商業施設に併設されたバスターミナルから、クアラルンプール行のバスは出る。
イメージしていたバスターミナルと様子が異なるが、今回予約したStarmart Expressのカウンターを探す。
ここで事前に印刷しておいたチケット見せると、バスの車番を書いてくれて「下の階に待合室があるからそこで待ってな。バスが来たら呼ぶから」と案内される。
ところでまだ朝食を摂っていない。ゴールデン・マイル・コンプレックスは商業施設ではあるが、まだ9時前で閑散としている。唯一空いていた食堂で訳がわからぬまま指差しオーダーをして朝食。
焼き飯はさすがにパラパラして見た目よりも美味しい。鶏肉は甘めの味付けだ。特に気に入ったのが付け合わせの青唐辛子。逆にうっかりしてしまったのがコーヒーだ。シンガポールでは練乳入りの甘いコピが有名なのだが、いつもの癖でブラックコーヒーにしてしまった。
StarMart Expressバス
食事を済ませ待合室で待っていると、バスの到着が案内された。
待合室にいた時から感じていたが、日本人はゼロ。地元の方々の普段着の移動手段といった感じだろうか。
今回一番前の特等席を予約したつもりだったが、残念なことに視界が悪い!日差しよけなのだろうか、フロントガラスの上部が黒いフィルムで覆われていて、全く見ることができない状態なのである。
しかしシートはしっかりとリクライニングできるし、シートピッチも広めで快適だ。
ここに6時間ほどお世話になると思っていたが、道中とんでもないこととなってしまった。
シンガポール国境越え
今回バスの旅で期待していたのが、バスでの国境越えである。
以前アメリカとカナダの間をレンタカーで越境したことがあったが、空港でのイミグレーションとは違う雰囲気を楽しんだが、今回もそれを味わえると思ったら楽しみであった。
9:30に出発したバスは、30分ほどでシンガポール側の国境施設に到着する。ここで一旦バスを降りて出国手続きをする。バスは乗客を降ろすと、施設の出口側まで移動する。降りる場所と再び乗る場所が異なるので、バスの車番は必ず覚えておこう。
出国審査は自動化されているのだが、パスポートをスキャンするのに手間取る人達もいて時間がかかりそうだ。
結局手続きは30分くらいかかり、10:55バスはマレーシアに向けて出発した。
ここからが大渋滞でバスが進まなくなる。バイクやトラックも抜き合いひしめき合っている。機動性に欠けるバスはどんどん割り込まれるので、わずか6km程度の距離も1時間も掛かってしまった。
マレーシア入国
マレーシア側の国境施設は、なんだか乗船場の待合スペースのような雰囲気なのだが、ちゃんとパスポートをチェックされ、荷物もスキャンされる。
もう12時を過ぎているが、まだマレーシアに入ったばっかりだ。ひょっとするとクアラルンプール着く時間が遅くなって現地で両替ができなくては困るので、ここで1万円をマレーシア・リンギットに両替する。レートもそれほど悪くなかったと思う。
12:40にバスはチェックポイントを出発、13:08にクアラルンプールまであと300kmの標識を見る。あと4時間くらいはかかりそうだ。
スコール
そう思った矢先に、 外が暗くなったなと思ったらスコールが降ってきた。ただの豪雨かもしれない。かなりの雨量でバスは減速する。他の車も減速するので道は渋滞してきた。
そんなスコールを抜け、おそらく予定の時刻よりも遅れているはずであるが、サービスエリアに休憩のためバスは止まる。
地図で見ると、シンガポールとクアラルンプールのちょうど中間地点のようだ。ここでトイレ休憩を済ませ、ミネラルウォーターを購入する。16:00バスは出発した。
TBSバスターミナル
6時間以上バスに乗り続け、車内に疲労感が漂っている。それでも黙々とバスは走る。運転手は同じ人だ。
車外の景色もなんとなく変わり、クアラルンプールに近づいているのは確かなようだ。そして17:40バスはTBSバスターミナルに到着した。てっきりこのバスはTBS行かと思っていたが、私を含む数人以外はバスに乗ったままである。一体どこ行だったんだろう。
空港のような近代的なバスターミナルで、行先ごとにカウンターがあり人が並んでいる。
私はもうバスには乗らず、バルタル・タシク・スラタン駅からLRTを乗り継いでブキッ・ビンタンに向かう。8時間も乗って私もさすがにくたびれた。
ホテルに着くのは19:00頃になるだろうが、この後 屋台街で有名なアロー通りで食べ歩きするつもりだ。
アロー通り
アジアの夜市は活気があって楽しい。そして美味しい。おそらくこの雰囲気が最強の調味料になっているのだろう。
ホテルにチェックインし荷物を置いて、すぐさまアロー通りへむかう。
予習してないので、まず通りを往復する。
知らない場所では混んでいる店を選べという、宮脇氏の言に従い 通りのはずれにある明記焼魚を選ぶ。
幸い一人なので混んでいても席がある。
TigerBeerとスパイスの効いたエビと青菜の炒め、それと数品を注文する。食べ物はそれぞれサイズが選べるので、独り者でも安心だ。
海老の皮を剥きながら指についたスパイスを舐ったり、シャキシャキの青菜を楽しんで、クアラルンプールの夜は更けていく。